歯固めの儀
日本のお正月といえば、お節料理にお屠蘇(とそ)、お年玉。羽根つきや凧揚げといった伝統的な遊びなどが思い浮かびますが、平安時代、宮中で行われた正月行事の一つに「歯固めの儀」があります。
この儀式は、長寿を願、天皇に固いものを謙譲するものだそうです。
平安時代中期以降は、箸をつけ食べたことに見立て、実際には食べることはなかったそうです。
その頃から、歯の健康が長寿につながると認識されていたんですね。
お食い初め
赤ちゃんが生まれて100日目に行われる「お食い初め」は、現在でもおこなわれているとても有名な儀式です。
実は、地域によっては「歯固め」とも呼ばれるもので、お祝い膳を用意して、一生食べることに困らないようにと行われるものです。
もちろん、赤ちゃんの歯はまだ生えそろっていませんので、あくまで食べているふりをするものです。

このお祝い膳におかれるのが、「歯固め石」といわれる「石」です。
氏神様の敷地で、人が足を踏み入れない場所にある石を拝借して使うそうです。
まさか本当に石にかじりつくわけではありませんが、石をお箸でつかみ、次に食べ物を口に運ぶという、食するまねごとをするわけです。
食事を美味しくいただくためにも、健康な歯はかかせません。
現代に生きる私たちには、儀式ではなく毎日のオーラルケアで歯の健康を保つというすべがあります。豊かな人生をおくるためにも、しっかりケアをしていきたいですね。